読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

取り戻そう日本の美しさを

日本の美、日本の景観、日本人のこころ、日本らしさについて考えるブログです。

真っ白は風景の中ではとても不自然な色だという事を分かって欲しい

景観は環境!

ギリシャの島の中には、
そこに建っている家が全部真っ白、
という場所がある。
周囲には真っ青な海。
海の青と家々の白で、
見事なコントラストを作り
島全体の色彩の美しさになっている。
また、イタリアにも
(詳しい地名などは分からないが)
壁が白い建物ばかりが並び、
それが美しい景観を作り出している
街があるようだ。
これらの地域はあまり緑が茂っている
場所では無いようで
また、白い建物以外、
建っていないといった徹底ぶり。
風景全体が青と白で
コーディネートされているのだ。
     
所かわって日本。
ここはまず、自然に緑が多い。
温暖湿潤気候の恩恵で山は
樹木に覆われる。
その樹木も常緑樹もあれば、
季節で紅葉したり色が変わる樹木もある。
また既に建っている
主に木造の歴史的建築がある。
基本的に、
茶色と深緑の世界なのだ。
     
今日本のあちこちには
ビルが建っている。
モダン建築といわれるもので、
造形は直線的、無機質。
そして、色は基本的に
「白」「グレー」だ。
最近はベージュや茶色など、
落ち着いた色も多いが
街全体を見渡すと、やはり
「白」や「グレー」が多いようである。
    
特に「白」というのは、
紙の上では基本色とされているが
既に茶色と深緑でできている
日本の風土に持ってくればどうなるか。
    
合う、ワケがない!
    
しかし、どういうわけか、
当たり前のように使われているのだ。
「基本色」とされているからだ。
だけど違うのだ。紙と風景は。
「白」というのは「なにもない」
「弱い色」と思いがちだろう。

しかし、とっても「強い色」なのだ。
ここ、重要だ。

そう、
「白は強すぎるぐらい、強い色」であり、
風景の中の話では、とても主張が強く、
そして「浮いてしまう」色だ。
特に日本では、浮いてしまうのだ。
    
日本建築でも壁に真っ白は使われる。
しかし、屋根があったり、
所々に木が使われているから
色彩的にも茶色やチャコールグレーが入り、
落ち着くのだ。

しかし、ビル。
これは基本的に壁一面、真っ白。
色彩的には、
日本の緑の多い風景に入れると、
全く調和点がない。
取りつく島が無い感じであり
ビルだけ独自に主張してしまっている。
まるでビルが「俺を見ろーーーー!!」
「俺だけ存在すれば、それでいいのだーー!!」
と言っているようである。
自分だけ白く目立ちゃ、
それでいいとさえ。
     
おそらくその建築家は、
周囲の色彩の事なんて
全く考えてなかったのだろう。
白が多用されていた時代は、
高度成長期。
建設ラッシュ。
どんどん建てていかなければならない。
スピーディ。
色彩の事なんて気にしていられない。
仕方がなかったのだろう。
    
しかしもう、
そんな時代は終わったのだ。
これからは
都市であろうと、地方であろうと
ものを建てる時、周りの風景の事も
考えなければならない時代が
来ているのだ。
そう、景観は環境なのだ。
環境の一つである景観の事も、
これからは考えなけりゃならない。
(もちろんきちんと
 考えられている建築も今は多いが)
これは、なにも住宅だけではない。
ビルだって、工場だって、
店舗だってなんだって、
もう一度、そこに建っている
「日本の風土」というものを
考えなければならない。
     
日本の土地にビルを建てようとするなら
最低でも深めのベージュぐらいの
落ち着いた色は欲しい。
既に深緑と茶色の自然でできている土地、
そして、木造建築の存在を考えると
日本の風土に一番似合う色は
「茶色」であると考える。
    
壁の面積の大きいビル一面に
例えば焦げ茶色、なんていうと
ちょっと色が暗すぎていきすぎかな
という感じだが、
すこしトーンを落として、
薄茶色、ベージュぐらいが
やはり日本の風土の色彩に合う
ビルの色ではないだろうか。
     
ここで注意してほしいのは、
色を明るくし過ぎないこと。
よく、「無難な色」といって
パステルカラーやクリーム色といった色で
塗装されたりするのだが、
この「無難な色」というのは、
あくまで「紙の上だけ」の話なのだ!
深緑と茶色で構成された、
日本の緑に囲まれた土地に持ってくると
これも「白」同様、明るい色すぎて
浮いてしまう。
     
風景の中でのNGカラーは白だけではない。
彩度の高すぎる原色ももちろんダメだが、
色の明るすぎるパステルカラーも
実はNGカラーなのだ!
グレーも、深めで
土地に馴染む様な色ならまだいいのだが
明るい白に近いグレーはやはりNGだ。
     
日本でビルを建てるなら、
そして色に迷ったなら、
迷わず「深めのベージュ色」を使おう。
これが、日本の風景の中での
「一番、無難な色」である。
    
今真っ白く塗っているビルも、
どうか可能な限り
この「深めのベージュ色」を
採用していただいて、
できるならペンキひと塗り、
塗り直していただきたい。
これが、日本が日本らしく、
美しく落ち着いた景観になるための
第一歩だはないだろうかと思う。

これは、都市部でも郊外、
緑に囲まれた所でも同じ。
各々のビルや工場などの建物の塗装を、
落ち着いたベージュ色のような色に
少し塗り直すだけで街全体、
日本の風景全体も落ち着いたものになる。
      
「建物が皆、ベージュ一色じゃ
 ツマラナイじゃないか」と
言う人がいるかもしれない。
しかし、もう既に、
日本の街は色で溢れかえっている。
景観条例で看板の色は何色にしなさい、とか
決められている訳でもない日本では、
看板の色など好き放題。
既に色がゴミ箱ひっくり返したように
散っているのだ。
日本中、今現在既に、
もう乱雑で大変な事になっているのだ。

ここで、並ぶ建物の色彩にある程度
統一でも持たせないと
日本における景観の調和はありえない。
そのくらいしなければ、
もういけない状態に日本は来ている。
     
これは、景観条例有無の話ではない。
もう、各自、自主的に
やらなければならないのだ。
自分の建物を、日本の風土に合う色彩、
落ち着いた色彩に治す事は。
ペンキひとつだ。
色彩一つ変わるだけで
印象というのは見事に変わる。
多くの人がすればするほど、
街全体の印象もがらっと変わるだろう。
     
皆が少し、ペンキを塗り直す事で、
街全体が原色の色の
ゴミをひっくり返した様な
幼稚な今の街並から
日本人が古来から持つ微妙な色、
中間色を駆使した
洗練され、落ち着いた、
日本人の古来から持つ美意識が反映された
街並に変わっていくことができるだろう。