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取り戻そう日本の美しさを

日本の美、日本の景観、日本人のこころ、日本らしさについて考えるブログです。

真っ白なガードレール、この景観破壊の元凶

景観は環境!

「白」というのを
「基準色」だと思っているのだろう。
ガードレールをはじめ、
街のあちこちには白い柵やフェンスといったものが
とても多い。
   
でも、以前にも書いたのだが、
「白」というのは一番不自然な色なのだ。
自然環境の中では、どれ一つ取っても
「白」というのは使われていない。
     
土の焦げ茶
木の幹の焦げ茶、葉の深緑
砂の薄茶色
山の近景は深緑に見え、遠景は藍色に見える。
総合すると、自然の風景の色というのは
色でいうと、焦げ茶、深緑、藍色、薄茶色(ベージュ)
がベースとなり
明度はそれほど高くなく、彩度も低い。
    
対して白。
彩度はゼロだが、
明度が最高に高い。
つまり自然界のどのもの(土、山、木、海、砂)とも
明度の上で、フィットせず、浮いてしまうという事になる。
     
景観において優れた国、洗練されていて
よく海外の旅番組などに出てくる欧米などの街、というのは
注意深く見てみると分かるのだが
柵やフェンスといった景観アイテムは
必ず、低い明度、低い彩度のものが使われている。
具体的には、
鈍い深緑、鈍い藍色、焦げ茶色
こういった色が使われている。
     
「注意深く見てみると」と書いたのは
注意深く見てみないと分からないぐらいに、
「周囲の風景にフィットして、主張する事なく調和している」
からである。
    
しかし旅番組に出てくる欧米の洗練された風景のきれいな街、
この街にある柵やフェンスなどの色を真っ白に塗り替えたらどうだろう。
途端に街全体「野暮ったく」「ダサく」変身してしまう。
それくらい、こういったものの「色」というのは重要だったりするのだ。
     
欧米の風景のきれいな街が
柵やフェンスだけに気を遣っている訳ではない。
柵やフェンス以外に、
橋げたの色、歩道橋、街灯の柱の色、信号機の色、
こういった色も、たいてい低い明度、低い彩度の色で
しかも同じ色に統一されている。
ガードレールも、
いくらなんでも藍色とか深緑とかではないが
グレーだったりして色が浮き過ぎるのを防いでいる。
    
低い明度、低い彩度の色、
これは前にも書いたが日本では焦げ茶色が一番ふさわしいと思う。
これは日本には木造の建築物が多く、使われる木の色が
焦げ茶色が多いからだ。
特に古い建築物は経年変化で木は焦げ茶色になる。
    
黒川温泉では、景観の大切さに気付き
いち早くこういった色彩の改革に乗り出した。
ここでは橋の色も焦げ茶色に統一し、
まとまり、落ち着きを演出し、
ガードレールも焦げ茶色にして、風景と馴染ませている。
     
観光地で取り組むべきなのは言うまでもないが
観光地でなくても
比較的自然の多い街中では、
柵やフェンス、街灯、信号機、歩道橋の色は
焦げ茶に統一し、基本色は焦げ茶、とした方が良いだろう。
東京などの大都市にはあまり周囲に山があったりという事はなく
自然には囲まれていないが
(それでも街路樹があるから自然が全くない訳ではない)
いわゆる地方都市というのは
都市は都市でも周囲には山があったり海があったり
自然が多いのだから、特に取り組むべきだ。
      
前回の記事にも書いたが
ただでさえ屋外広告が氾濫しやすく、
ヘンな色の建物や看板も氾濫しやすいのだから、
せめて柵、フェンス、街灯、信号機、ガードレールなどの
景観アイテムの色ぐらい
目立たぬ色、周囲に馴染む色で1色に統一するぐらいでなくては
ならないということを
自治体の方は、どうか分かってもらいたい。
     
街、というのはパブリックスペース、
そこに住まう住民皆のものであり、
全ての人がそれを見て心地良くなるように
視覚的に整える必要があるし
そうする義務があるのではないだろうか。
     
ちょっと日本の街は
色彩的に、感覚が遅れていないだろうか。
あまりにも考えられてなさ過ぎるように思う。
   
願わくば、こういった「街の色」に関しての
「色彩コーディネーター」を配置させて
街全体の色彩が見た目に心地良くなるべく
コーディネートしてもらった方がいいのではないか。